top of page

CHARACTER

ChatGPT Image 2026年3月11日 16_49_57.png

​ヒロイ・マモル

​マスターG

IMG_8880.png
スクリーンショット 2026-03-11 19.47.06.png
ChatGPT Image 2026年3月11日 21_33_02.png
スクリーンショット 2026-03-11 21.44.05.png

​悪の組織 PIST

ヨゴース・ステール・チラカース

​清走中 GAME START

地面にしゃがみこみ、草をかき分ける。

土に埋もれた空き缶を見つけると、トングで拾い上げた。


「よし」

 

拾ったあとには、汚れていた場所が少しだけきれいになる。
ーーそれがなんだか楽しい。

 

また目を凝らす。また見つける。また拾う。

 

その繰り返しに、ヒロイ・マモルは夢中になっていた。

彼は、好奇心に満ちた高校生だ。

今日は川辺のゴミ拾い。草むらの奥には、流れ着いたゴミがたまりやすい。

空き缶、ペットボトル、ビニール袋。

時には、どこから来たのかも分からない珍しいものが埋もれていることもある。
ヒロイはそれを密かに「レアゴミ」と呼ぶ。まるで宝探しみたいで、少しだけ心が踊る。

気付けば、周りの音も遠くなっていた。ただ夢中になり、草をかき分け、さらに奥へ進む。

そのとき、だった。

ヒロイの手が止まる。

 

草むらの先に、奇妙なものがあった。

 

大きな箱…ーーいや、箱のように見える何か。
古びても、汚れてもいない。見たことのない材質。
「レアゴミ...か?」

 

ヒロイがそっと手を伸ばし、箱に触れた、その瞬間。

箱が音を立てて、強い光を放ち、動き出した。

眩しさと驚きのあまり、ヒロイはとっさに目を閉じた。

 

一瞬の出来事だった。

光が収まり、そっと目を開けると、そこはさっきまでの川辺ではなかった。


見たこともない機械...壁一面に並ぶモニター...

机の上には、用途の分からない装置がいくつも並んでいる。

まるで秘密基地のような空間。

 

「...どこだよ、ここ...」

 

戸惑うヒロイの目の前で、モニターが点灯し、白衣姿の男が映し出された。
髭をはやし、どこか胡散臭く、それでいて妙な迫力のある老人だ。

 

『聞こえるか!起動成功じゃな!』
 

「うわっ!?」

 

『よしよし、映像も音声も問題なし。未来の英雄候補よ、応答せよ!』

 

「い、いや、英雄候補って......え?誰ですか?ていうかここどこですか!?』

 

老人は胸を張る。

 

『ワシの名は、マスターG!そして、そこは”清走中開発室”じゃ!』

 

「せいそうちゅう.....開発室?」

 

『そうじゃ!君が触れた箱ーーあれは、清走中起動ボックス。ワシが未来から転送した発明品じゃ!』

 

「未来から......?」

 

ヒロイは眉をひそめる。意味が分からない。ただ、夢にしては妙に生々しい。

 

『信じられん顔じゃの。だが安心せい。君はちゃんと選ばれて、ここへ来た』

 

「選ばれた?」

 

『あのボックスはな、誰でも起動できるわけではない。周囲のゴミを拾った者だけが、起動できるようにMISSIONを仕掛けておいたのじゃ!

ワシは探しておった。君の時代でゴミ拾いに夢中になれる者を』

 

マスターGの表情が、少しだけ真剣になる。

 

『22世紀の地球が、大変なことになっている』

 

「........は?」

 

『君たちの時代に現れた悪の組織”PIST”が、街を、海を、川を、そしてこの地球をゴミで汚し続けた。だが、人々は止められなかった。』

モニターの奥で、いくつもの映像が切り替わる。
ゴミに埋もれたまち。濁った水辺。煙る空....。
その光景に、ヒロイは驚いた。

 

『当時の世界では、PISTへの効果的な対抗策を講じることが出来なかった。
しかも、多くの人間は、街のポイ捨てや環境問題自体に興味がなかった。
PISTが好き勝手していても、自分が良ければ少しくらい構わないと
その積み重ねが、こんな未来を招いてしまったのだ....。』

 

「そんな....。」

 

『だからワシは作ったのじゃ。”楽しさ”で人を動かし、PISTに対抗する作戦を!』

マスターGは力強く言い切る。

 

『それがーーー清走中』

 

部屋のモニターに文字が光り、映し出される。

 

『1人で突き進んでもPISTには叶わない。だからこそ多くの人を巻き込まないといけない。しかし正しさだけでは広がらない、だが人は、楽しいものには夢中になる。熱くなれる。』

 

ヒロイは、さっきまで草むらの中で夢中になっていた自分を思い出す。

 

『君は、ゴミ拾いにおいての楽しさを心得ておるはずじゃ...。
残念ながら、人は過去には戻れない。だから、ワシは君に、清走中を託したい!
楽しさで人の心を動かして、この地球の未来を変えてくれ!』

 

あまりの突然の言葉に、ヒロイは息を飲む。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ。そんなのいきなり言われても...。
未来がどうとか、悪の組織がどうとか、正直まだ全然信じきれてないし....。」

『だが君は、見つけた。拾った。ゴミ拾いに夢中になった。
誰かに言われたからではなく、自分の意思でじゃ。

そんな君だからこそワシは託したいと思っているのじゃ!』

 

ヒロイは黙る....。

 

『やるかどうかは、君が決めろ』

 

モニターの横に、小さなボタンがせり出す。

 

『押せば、清走中の全貌を見せよう。押さなければ、君は元の場所へ戻る。それで終わりじゃ』

 

ヒロイはボタンを見つめる。

未来。PIST。清走中。何ひとつ、まだちゃんとは分からない。

それでも・・・

あの草むらで感じた、夢中になる感覚。拾うたびに、景色が変わるあの感覚。

もしあれで、本当に何かを変えられるのならーーー。

 

ヒロイは、ゆっくりと顔をあげた。

 

「.....僕にも、できるのかな。」

 

『できるかどうかではない。やるかどうかじゃ』

 

少しの沈黙。そしてヒロイは、迷いを振り切るようにボタンへ手を伸ばした。

 

「ーー教えて。清走中について!....」

マスターGが、にやりと笑う。

 

『よくぞ聞いてくれた、ヒロイ・マモル!』

 

次の瞬間、部屋の中央に光が走り、巨大な立体映像が浮かび上がる。
街。海岸。川辺。商店街。公園。それぞれの場所に、赤く点滅する警告表示。

 

『これがPISTレーザーじゃ。奴らが次に現れる場所と日時を予測することができる。』

 

「予測...?」

 

『PISTは、街にゴミをばら撒いたり、人々の心の隙につけ込み、環境を少しずつ壊していく。だが、襲来の前兆は必ずある。そこをこのレーダーで捉えるのじゃ』

 

映像の中で、点滅するエリアに「危険予測区域」の文字が浮かぶ。

 

『君はゲームマスターとして、PISTが現れる前にその場所で”清走中”を開催する準備を整える。フィールドを決め、人を集め、ゲームを仕掛けるのじゃ』

 

「ゲームを.....仕掛ける?」

 

『そうじゃ。清走中は、ただゴミを拾うだけではない』

 

画面が切り替わる。

フィールド内を駆け回る参加者たち。

ゴミを拾い、仲間と声を掛け合い、ミッションに挑む姿が映る。

 

『PISTの襲来に立ち向かう勇敢な挑戦者たちーーそれが”清走者”じゃ。
君は彼らを集め、フィールドへ送り出す。』

 

「清走者...」

 

『清走者たちは、制限時間内にフィールドを巡り、ゴミを拾いながら、各地で発生するMISSIONに挑戦する。』

モニターに次々と例が映し出される。

「不法投棄エリアを浄化せよ」

「分別ミッションをクリアせよ」

「川辺に流れついた大型ゴミを回収せよ」

「仲間と協力して隠された汚染源を探し出せ」

 

ヒロイの目が、少しずつ真剣さを帯びていく。

 

『PISTは、ただゴミを撒くだけではない。街を散らかし、人を迷わせ、手間を増やし、面倒だから後回しで良いと心を鈍らせる。だからこそ清走者には、ゴミ拾いとMISSIONの両方で奴らの企みを阻止してもらうのじゃ』

 

『ゴミを拾えばポイントになる。そしてMISSIONをクリアすれば、さらにポイントが加算される。』

 

画面に大きく文字が現れる。

 

”Gommy”

 

『それが、清走中のポイント”Gommy(ゴミー)”じゃ!』

 

「ゴミー....」

 

『拾ったゴミの種類や量。MISSIONの達成度。行動の内容。すべてがGommyとして記録される。そして——』

 

映像の中でランキングボードが出現し、数字がせり上がっていく。

 

『最も多くのGommyを集めた清走者が優勝じゃ!!』

 

「優勝……? ゴミ拾いで?」

 

『そうだ! 清走中は、PISTから地球を守る戦いであると同時に、熱狂できるゲームなのじゃ!』

 

マスターGの声に熱がこもる。

 

『競い合うから本気になる。協力するから盛り上がる。夢中になるから、気づけば街がきれいになっている。そこにこそ、清走中の力があるのじゃ!』

 

ヒロイは、映像の中で駆ける清走者たちを見つめる。

楽しそうだった。

でも、それだけではない。

本気だった。

誰かにやらされているのではなく、自分から飛び込んでいる顔だった。

『君はゲームマスターとして、この戦いのすべてを動かす。
清走者を導き、フィールドを整え、PISTの計画を見抜き、ゲームを成立させる』

ヒロイは息をのむ。

「……僕が」

マスターGはゆっくりとうなずいた。

モニターに映る街が、次々とフィールド表示へ変わっていく。

『人が集まり、熱狂し、行動が生まれる舞台へ変えるのだ。
それができるのは、ゴミ拾いの中に“楽しさ”を見つけた者だけじゃ』

しばらく黙っていたヒロイが、ぽつりとつぶやく。

 

「……それで未来を変えられるなら」

 

マスターGは静かにうなずく。

 

ヒロイはもう一度、空中に浮かぶフィールドを見つめる。

川辺。街角。公園。

そこに立つ清走者たち。

PISTの襲来予測。

増えていくGommy。

そして、きれいになっていく街。

 

さっきまで自分ひとりで感じていた“楽しい”が、

もっと大きな何かになる光景が、そこにあった。

 

ヒロイはまっすぐモニターを見た。

 

「やるよ!僕がそのゲームマスターになって、清走中で、未来を変える」

 

一拍の静寂。

次の瞬間、マスターGは高らかに笑った。

 

「よく言った、ヒロイ・マモル! ではこれより——清走中、始動じゃ!!』

 

部屋中のモニターが一斉に点灯する。

警告音。起動音。流れ出すデータ。

中央の立体映像には、新たな文字が浮かび上がる。

 

NEXT TARGET:COMING SOON

 

ヒロイは、その光を見つめながら拳を握った。

©2025 Gab Inc.

bottom of page