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ゴミ拾いが持続可能な観光地づくりのきっかけ「清走中 上野編」

〜観光客受け入れの課題と台東区の新しい戦略〜


2025年10月18日(土)「清走中 上野編」を東京都台東区で開催
2025年10月18日(土)「清走中 上野編」を東京都台東区で開催

上野や浅草といった、世界的に有名な観光地を有する台東区の観光客は近年増加しています。

台東区が公開した令和6年の観光客数推計では、4,121万人に達し、うち外国人観光客数は640万人と、前年比で45%の増加を記録しています。


観光地として活況を呈している一方、台東区の観光課の皆様とお話しする中で、課題も耳にしました。

台東区が実施した区政サポーターアンケートでは、観光客が訪れることによるプラスの効果を感じつつも、「ゴミの増加」「マナー悪化」などマイナスの影響を心配する声も上がっています。


そのため台東区では「観光客、地域住民、事業者が協働して課題解決に向かう」という方針で、観光客の増加だけを追求するのではなく、「みんなが満足できる観光地づくり」に取り組まれています。


本記事では、このような課題に対し「楽しさ」を通じて解決の糸口を探した「清走中上野編」についてご紹介します!


「清走中 上野編」では区内美化を実現するだけでなく、ゴミ問題への意識醸成および台東区への親しみを育むことを目的としました。


2024年より、台東区は「EDO IT!」というスローガンを掲げ、江戸らしくストレートに『DO IT!(やろう)』と、観光客の満足度だけでなく、地域住民の生活も大事にした観光地づくりを目指されており、今回のイベントはその一環に位置づけられます。


”本区が将来にわたり持続可能な観光地であり続けるためには、観光客も、地域住民や事業者も満足できるまちづくりが重要だと考える。”


「観光客のマナー問題を厳しく取り締まるだけでなく、みんなで楽しくまちをきれいにしながら、地域への愛着も育んでいきたい」という想いを実現するため、昨年の浅草編に続き「清走中 上野編」を開催しました。


「清走中」はゲーム要素とゴミ拾いを融合させることで「楽しさ」を入口にした、新感覚エンタメイベント。


90分間のゲーム時間の中には


ゴミを拾うことで得られるポイント

LINEで通知されるミッションをクリアすることで得られるポイント

・2つのポイントを合算した結果、上位のチームが景品を獲得する


という、ゲーム要素が組み込まれています。


チラシや当日配布するゲームブック(パンフレット)も、直感で「楽しそう!」と思ってもらえる世界観づくりにこだわっています。



これまでの全国開催を通じたアンケート結果を見ても、参加者の参加理由は一貫しています。


「楽しそうだから!」

「子どもが参加したいと言ったから」


「楽しさを前面に押し出す募集」なので、開始からわずか1週間で数百名の参加枠が埋まってしまうことも。


このインパクトが圧倒的な集客力に繋がっています。



「清走中上野編」で私たちが最も工夫した点は、単なるゴミ拾いイベントではなく、地域発見を組み込んだミッション設計にしたことです。


ゲーム中に配信された「上野らしいミッション」には、上野について知るきっかけとなるクイズやゲームエリアにパンダが登場しました。


また、参加者はゴミを探すうちに、普段足を運ばない通りや知らなかったお店を発見することになります。

その結果、単なる「ゴミを拾った体験」ではなく、「上野という地域そのものへの理解と愛着」が育まれ、台東区の観光地としての価値向上にも貢献できると考えています。




当日は90分間の清掃活動で、こんなに大量のゴミが回収できました!

  • ペットボトル:261本

  • 缶:494本

  • その他のゴミ:35.3kg

  • タバコの吸い殻:3.79kg


イベント後の参加者アンケートでは

「思った以上にゴミが落ちていて驚いた」

「自分たちが暮らす街にこれほど多くのゴミが散乱していたことに気づく貴重な機会になった」

などのお声をいただきました。


また、今回はどの街でも見かけるタバコのポイ捨てごみを1箇所にまとめてみました。すると、用意した箱が一瞬で埋まってしまい、タバコゴミの多さに改めて気付かされるきっかけとなりました。


実際に「清走中 上野編」で回収したタバコゴミ
実際に「清走中 上野編」で回収したタバコゴミ

参加者アンケートの結果、90.9%が満足と回答、不満の回答はゼロでした。


さらに95.5%の参加者が「次回、上野近辺で清走中が開催される場合、また参加したいと思う」と回答。これは、通常のイベント参加者のリピート率(一般的に30~50%程度)と比較して、圧倒的に高い数値です。



参加者コメント:

「途中ミッションとかがあって楽しかった」

「めちゃくちゃ楽しかったしゴミを拾うのが宝探しみたいでとてもよかった!」

「ゴミ拾いしながら普段通らない知らない道やお店を発見できたのが楽しかった」

「新しいお気に入りのお店が見つかった」

「子どもにとって、ゴミや環境について考える良い機会になった」


特に印象的なのは、参加者の多くが「地域発見」を重要な価値として感じていた点です。

イベントの軸である「ゴミ拾い」を超えて、「自分たちが住む地域を改めて知り、新たな価値を見出す機会」となったことは、私たちにとって何より嬉しい成果です。



またもう一つの成果として、環境問題への意識についても大きな変化が見られました。以下は参加者のアンケート結果です。


イベント前:54.5%が「環境問題に関心があるが行動していない」と回答

イベント後:81.8%が「環境への意識が高まった」と回答


つまり「清走中」を通じて、参加者の約50%の環境問題への関心を高めることに繋がったということです。この結果から、私たちが目指す「楽しさを通じた行動変容」のきっかけを作り出せるということが実証されました。


参加者コメント:

「ゴミが思った以上にたくさん捨ててあった」

「海への影響は知らなかったため、街のゴミも海へと繋がっているのだと知ることができた」

「自分の住んでいる町にこんなにもたくさんのゴミが落ちていることを再認識した」


そして、このようなコメントもありました。

「また少し年月が経ったらまた街が汚くなっていると思うからまたここ上野などで実施してほしい」


これは、参加者が「楽しかったからまた来たい!」という気持ちに加え、「定期的に繰り返す必要がある社会課題の解決法として、このイベントの継続的な実施を望んでいる」ことが示されました。




本イベントを通じて、台東区が掲げる「EDO IT!」というスローガンへの理解と共感が大きく広がったことを実感しています。


「EDO IT!」の取り組みに対して、アンケートにはこのような感想が寄せられました。

「素晴らしいと思います!」

「続けてほしいです」

「とても良い活動だと思うし、これからもどんどんいろんな地域でやってほしい」


これらの声は「観光客の受け入れに対して、地域で前向きに取り組みたい」という姿勢の表れだと感じています。


通常、観光客の増加と地域住民の生活は、対立軸になりがちです。しかし、「清走中上野編」では、観光客のゴミ問題を地元住民と一緒に解決し、その過程で地域への親しみと誇りを育むことができました。


私たちは、同じ課題を抱える全国の自治体にも、同じ手法を用いた解決策を提案したいと考えています。どのような点が応用可能か、「清走中上野編」の成功のポイントを振り返りながらまとめます。


1. 「楽しさ」と「地域発見」の組み合わせが本質的な愛着を育む

ゴミ拾いを「義務」として捉えるのではなく、「遊び」「ゲーム」として設計することで、参加者の行動変容を促すことができます。

さらに、イベント中に配信されるミッション内容を工夫し、参加者を「地域の隠れた魅力」へと導くことで、ゴミ拾いイベントを超え、地域への長期的な愛着の醸成を図りました。


2. 「地域住民の地域愛」は、観光地の最強の資産

持続可能な観光地づくりには、観光客への対応も重要ですが、同時に「地域住民がその地域を愛し、誇りを持っている」という土台が不可欠です。

「清走中」のミッション設計は、地域住民に「自分たちの街の価値を改めて認識してもらい、愛着を深める機会」を提供します。その結果、地域全体が前向きで、より活力のある観光地になることを推進します。


3. 観光と地域の暮らしは協創できる

「規制する対象」だった観光客のゴミ問題を一方的に「注意」「罰金」で対応するのではなく、「清走中」を実施することで、「地域住民が共に楽しく解決する課題」に変換できます。


さらに、そのプロセスが地域住民の地元愛を深めるものであれば、観光と地域は「共に繁栄する関係」になり得るのではないでしょうか。


「清走中上野編」が実現した90.9%の満足度95.5%のリピート意向は、次年度の拡大展開への確かな手応えを得ることができました。


参加者の声からも単発のイベントではなく、継続的な取り組みとしていくことで更なる価値を生み出していけると考えています!




協賛企業様も募集しております。

「清走中」の協賛に興味がございましたら、以下の窓口までお問い合わせください。



関連リンク・お問い合わせ

株式会社Gab「清走中」に関するお問い合わせ

公式コーポレートサイト:https://corp.seisouchu.com/#form

メール: seisouchu@gab.tokyo


取材協力(主催者): 台東区 観光課

執筆(企画・運営): 株式会社Gab 清走中事業部




 
 
 

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